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IMU式フルトラ主要3製品をVRChat向けに比較2026

この記事の要点 ・VRChat公式対応で選択肢に入ったSony mocopiを加え、HaritoraX 2SlimeVRmocopiのIMU式フルトラ3製品を、初期費用・点数拡張性・充電運用・ドリフト補正・PC要否の5軸で1表に集約しました。 ・公式価格から点あたりコストを導出すると、SlimeVRが約$41.5〜$43.8/点で最安、HaritoraX 2が約$49.8/点、mocopiは受信機込みで約$93.3/点と一段高くなります。 ・拡張はSlimeVRが最大・HaritoraX 2は8点モデル(Pro)へ載せ替え・mocopiは6点固定で不可という構造差が選定の核です。8点のHaritoraX 2 Pro($398・2026年7月出荷予定)も点あたり約$49.8/点で標準機と同水準です。 ・価格・仕様は公式表記の目安で変動します。実測値は順次追加(現状は公式値/目安)。

VRChatのフルトラ(全身トラッキング)をベースステーションなしで始めるとき、これまで定番の比較はHaritoraX 2(Shiftall)とSlimeVR(Crowd Supply / SlimeVR)の2製品でした。ここに、VRChatのSteamVR経由対応で選択肢へ入ってきたのがSony mocopi(QM-SS1)+mocopi VRです。3製品はいずれもIMU(慣性センサー)方式で灯台(ベースステーション)不要という共通点を持ちながら、価格の見せ方・拡張の考え方・PC接続の要件がまったく違います。この記事は編集部が、3製品の公式値だけを1つの表に集約し、そこから点あたりコスト拡張時の追加費用を導出して、予算×手間×精度で最適解を選ぶ診断を整理します。当メディア独自の実機ベンチは未測定で、本記事は公式値と公式範囲の目安に基づきます(実測値は順次追加、現状は公式値/目安)。

IMU式フルトラの主要3製品、VRChatではどれを選べばいい?

結論は「安さと拡張自由度ならSlimeVR、手間の少なさと箱出し完結ならHaritoraX 2、既存のmocopi資産を活かすならmocopi+VR Kit」です。3製品はどれもIMU方式なのでベースステーションは要りませんが、初期費用は約$219〜約$560と倍以上の開きがあり、しかもmocopiはVRChat単体で使えず別売の受信機が必須です。まずは5軸の集約表で全体像をつかんでから、点あたりコストと拡張費用の導出、そして予算×手間×精度の診断ツリーへと進んでください。なお絶対位置精度を最優先するならIMU式ではなくライトハウス式が候補になり、その違いはIMU式とライトハウス式トラッカーの違いで扱っています。

HaritoraX 2・SlimeVR・mocopiを5軸で一表にすると?

3製品の公式情報を、初期費用・点数と拡張性・充電運用・接続とPC要否・ドリフト補正方式の5軸で1つにまとめたのが次の集約表です。初期費用はVRChatで実際に動かせる入口価格で揃えており、mocopiだけは本体単体では動かないため受信機込みのVR Kit価格を採用しています。価格はすべて公式表記の目安で、為替・在庫・モデル更新で変動します。

製品初期費用(VRChat入口)点数 / 拡張性充電運用(公式値)接続・PC要否ドリフト補正方式
HaritoraX 2(Shiftall)$299(6点セット・ドングル/BT接続)6点(上位Proで8点) / 限定的チェスト/ヒップ約80h・レッグ約50h(LiDAR時約6h)専用ドングルまたはBluetoothでWindows PC必須・SteamVR経由IMU・センサーフュージョン(BS不要)
SlimeVR V1.2(Crowd Supply)$219(Lower-Body 5点・ドングル不要/Wi-Fi)5〜10点+ / 最大(個別追加で自由)約20h/充電(2025年製1350mAh)Wi-FiでPC上のSlimeVRサーバ+SteamVR・Windows PC必須IMU・センサーフュージョン(BS不要)
mocopi(Sony QM-SS1)+mocopi VR約$560(本体$449+PC受信機約$110のVR Kit)6点固定 / 不可各センサー約10h・USB-Cで約1.5hフル充電mocopi VR(無料)+別売受信機でSteamVR・Windows PC必須IMU・センサーフュージョン(BS不要)

この1表で見える構造差は3つあります。第1に、初期費用の順は SlimeVR($219) < HaritoraX 2($299) < mocopi(約$560)で、mocopiだけ倍以上です。第2に、点数拡張性はSlimeVRが最大・HaritoraX 2が限定的(標準6点、上位のProで8点まで)・mocopiが不可と明確に分かれます。第3に、3製品ともVRChat用途ではWindows PCが必須で、PC不要の製品は存在しません(mocopiは通常運用こそスマホですが、VRChatではPC+受信機が要ります)。2製品どうしの深掘りはHaritoraX 2とSlimeVRの比較記事に、製品横断の中立比較と買い方はVRChatトラッカー比較・購入ガイドに整理しています。

VRChatに必要な初期費用は3製品でいくら違う?

点あたりコスト(公式価格 ÷ トラッカー点数)で揃えると、SlimeVRが最安帯、HaritoraX 2が中間、mocopiが最上位という順序が数字で見えてきます。とくにmocopiは本体$449だけではVRChatで動かず、別売のPC受信機(約$110)を足したVR Kit約$560が実質の入口です。この受信機込みで比べないと不公平になるため、mocopiは2行に分けて導出しました。いずれも検証可能な公式値からの単純割り算です。

製品 / 構成計算式点あたりコスト(導出)
HaritoraX 2 標準$299 ÷ 6点約$49.8/点
HaritoraX 2 Pro(8点)$398 ÷ 8点約$49.8/点
SlimeVR Lower-Body$219 ÷ 5点約$43.8/点
SlimeVR Full-Body$415 ÷ 10 IMU点約$41.5/点
mocopi 本体のみ$449 ÷ 6点約$74.8/点(VRChat単体では不可)
mocopi VR Kit(受信機込)約$560 ÷ 6点約$93.3/点
(参考)Butterfly Core$279 ÷ 6点約$46.5/点
(参考)Butterfly Full-Body$449 ÷ 10点約$44.9/点

導出が示すのは、点あたりコストで見るとSlimeVRが約$41.5〜$43.8/点で頭一つ安いということです。HaritoraX 2は標準6点の約$49.8/点も、8点のProの$398÷8=約$49.8/点も同じ帯に収まり、点数を増やしてもコスト効率が崩れないのが特徴です。両者(SlimeVRとHaritoraX 2)は$41.5〜$49.8/点の近い帯にあります。対してmocopiは受信機込みで約$93.3/点となり、他の約2倍です。これはmocopiが元々モーションキャプチャ機器で、VRChat用途では受信機コストが上乗せされるためです。予算最優先で最小構成から始めたい場合は、SlimeVRの安さが効くルートで、具体的な組み方は予算重視の3点フルトラ入門に手順があります。

初期費用を横軸、点数拡張性を縦軸に取り、3製品を配置してコスパ帯を色分けした2軸マップ
▲初期費用×点数拡張性の2軸マップ(公式値ベースの目安)。左上ほど安く拡張自由、右下ほど高く拡張不可

点数を増やしたいとき、追加費用はどうなる?

拡張の追加費用はSlimeVRが最も柔軟・mocopiは増設不可・HaritoraX 2は8点モデル(Pro)への載せ替えが公式ルートという整理になります。ここは初期費用だけを見ていると見落とす軸で、将来7点・11点・17点と伸ばしたいなら拡張の道が開いているかが効いてきます。3製品の拡張ルートを次のように分けられます。

  • SlimeVR(拡張=最大): 5点のLower-Bodyから、個別トラッカーや上位セットの差額で足・膝・肘・胸などを自由に追加できます。新ラインのButterfly世代ではドングル単体$19で最大10台まで受信でき、数十ドル単位で構成を刻めるのが強みです。3製品中で拡張自由度が最も高いルートです。
  • HaritoraX 2(拡張=8点モデルへ載せ替え): 6点の標準機に対し、公式に8点(胸/腰/膝/足首/足)対応のHaritoraX 2 Proが用意されており、米国価格$398・バッテリー約80時間・2026年7月出荷予定です。点あたり$398÷8点=約$49.8/点と、標準機とほぼ同じコスト帯を保ったまま足先の接地表現まで広げられます。ただし標準機に後付けする腕トラッカー等の拡張セットの確定価格は公開ソースで未確認のため、8点を超える構成を狙う場合は導入前に公式の最新価格を必ず確認してください。
  • mocopi(拡張=不可): センサーは6個で固定され、増設できません。追加費用という概念そのものが存在しない代わりに、点数で精度や自由度を上げたい場合は別製品に乗り換える判断になります。この「割り切りの潔さ」が、逆に迷わない選択肢としての差別化ポイントでもあります。

つまり予算を刻みながら段階的に増やす運用に向くのはSlimeVR6点完結か8点までで割り切れるならHaritoraX 2/Pro6点固定で十分ならmocopiという住み分けです。

充電の手間とバッテリー持ちはどれが楽?

一充電あたりの持続時間はHaritoraX 2が最長、SlimeVRが中位、mocopiが最短という順です。長時間のVRChat滞在では、この差がそのまま運用の快適さに直結します。公式値を並べると、HaritoraX 2はチェスト/ヒップが約80時間・レッグが約50時間で、実質の運用上限はレッグの約50時間が目安です(LiDAR有効時はレッグが約6時間まで短縮)。SlimeVRは2025年製の1350mAhで約20時間、mocopiは各センサー約10時間でUSB-Cによる約1.5時間のフル充電が必要です。

運用スタイルで言い換えると、数時間の連続滞在が多い人ほどHaritoraX 2の80時間級が効き、mocopiの約10時間は1日のうちに充電サイクルを挟む前提になります。mocopiはUSB-C充電ケースにセンサーを戻して充電する設計で、各センサー8g・IPX5/IPX8・IP6X相当と軽量かつ堅牢な一方、持続時間の短さは許容できるかを事前に判断しておくべきポイントです。バッテリー運用を含む装着面の細部はVRChatトラッカー比較・購入ガイド側も参照してください。

ドリフト補正とPCは3製品でどう違う?

3製品ともIMU方式のため、ドリフト補正はソフト/センサーフュージョンに依存し、定期的な姿勢リセットが前提という点は共通です。IMUは加速度とジャイロで姿勢を推定するため、時間経過で誤差(ドリフト)が蓄積しやすく、ライトハウス式のような外部基準による絶対位置補正は持ちません。この特性は3製品で本質的に同じで、どれが優れるかを裏づける当メディアの実測値は現状ありません(実測値は順次追加、現状は公式値/目安)。

PC要否については、VRChat用途では3製品すべてWindows PCが必須です。HaritoraX 2は専用ドングルまたはBluetooth経由でPCへ接続し、SlimeVRはWi-Fi経由でPC上のSlimeVRサーバへ接続します。mocopiは通常はスマホアプリ(iOS/Android)にBluetooth接続する設計ですが、VRChatで使うにはmocopi VR(無料)に加えて別売の受信機(mocopi Sensor data receiver、約$110)とSteamVR対応HMDが要り、公式の推奨環境はWindows 10 64bit以上・GeForce RTX 3060推奨・Core i7-11700推奨・RAM 16GBです。いずれも「PC不要」ではない点を、購入前の前提として押さえてください。

base station式(Vive/Tundra)とはどう住み分ける?

手軽さと初期コストの低さで選ぶならIMU式の本3製品、絶対位置精度で選ぶならライトハウス式(Vive Tracker/Tundra Tracker)という住み分けになります。本記事の3製品はいずれもIMU方式で、ベースステーション不要・設置スペース最小・センサーフュージョンによる姿勢推定という設計です。対してVive TrackerやTundra Trackerは外部ベースステーション(ライトハウス)で位置を測るため、絶対位置精度が高くドリフトに強い代わりに、ベースステーション設置のコストと手間が上乗せされます。

したがって、激しいダンスや競技的な正確さを求める用途、ドリフトを極力避けたい用途ではライトハウス式が候補になり、まず手軽にフルトラを体験したい・設置を増やしたくない用途ではIMU式の本3製品が向きます。方式そのものの比較はIMU式とライトハウス式トラッカーの違いで詳しく扱っているため、精度を最優先する場合はそちらを起点にしてください。本記事はIMU式3製品に限定した比較です。

結局どれを買う? 予算×手間×精度の診断ツリー

前掲の集約表と導出値をもとに、予算×手間×精度で自分に合うルートを切り分けられます。次の診断ツリーから、当てはまる1行を選んでください。

  • とにかく安く始めたい・後から点数を増やしたい → SlimeVR V1.2 Lower-Body($219・約$43.8/点)。ドングル不要のWi-Fi運用で、個別追加による拡張自由度は3製品中で最大。
  • 完成品を1箱で・充電の手間を最小にしたい・6点固定で十分 → HaritoraX 2($299・約$49.8/点)。チェスト/ヒップ約80時間のロングバッテリーで運用が最も楽。箱出しでVRChat即利用可。
  • 足先の接地表現まで欲しい・6点では物足りない → HaritoraX 2 Pro(8点・$398・約$49.8/点)。標準機と同じ約80時間バッテリーのまま、胸/腰/膝/足首/足の8点に対応。2026年7月出荷予定で、点あたりコストは標準機と同水準を維持。
  • 既にmocopi資産がある・モーションキャプチャ用途と兼用したい → mocopi+VR Kit(約$560・約$93.3/点)。ただし6点固定で拡張不可、各センサー約10時間の充電サイクルを許容できる人向け。
  • 将来17点まで伸ばす/薄型・長バッテリーを待てる → SlimeVR Butterfly(参考・予約段階)。クラウドファンディングは2026年2月9日開始済みで、Core Set $279(6点+ドングル)・Full-Body $449・充電ドック付Sakura Edition $499・17点Motion Capture Set $788。各機10g・厚さ7mm未満・バッテリー約50時間超で、Core Setは2026年8月31日出荷見込み、以降の注文は10月30日出荷予定。今すぐ必要ならV1.2完成品を選び、待てるなら新ラインという時間軸の判断です。
  • 絶対位置精度を最優先(激しいダンス等) → IMU式ではなくライトハウス式(Vive/Tundra)を検討。本3製品はいずれもソフト補正依存で、絶対精度はライトハウス式に譲ります。

この分岐の根拠はすべて前掲の集約表・点あたりコスト・拡張費用の導出にあります。予算はSlimeVR、手間の少なさはHaritoraX 2、点数を足すならHaritoraX 2 Pro、既存資産の活用はmocopiという三者三様の強みで住み分ける形です。

よくある質問

Q. VRChatで一番安く始められるのはどれですか? A. 点あたりコストで見ると、SlimeVR Full-Bodyが約$41.5/点、Lower-Bodyが約$43.8/点で最安帯です。入口価格でもSlimeVR Lower-Body($219)が最も低く、次いでHaritoraX 2($299)、mocopiは受信機込みで約$560と最上位です。価格は公式表記の目安で変動します。

Q. HaritoraX 2で足先(足首・足)まで動かしたいときは? A. 標準のHaritoraX 2は6点(胸/腰/腿/脛)ですが、8点(胸/腰/膝/足首/足)対応のHaritoraX 2 Proが$398で用意され、2026年7月出荷予定です。バッテリーは約80時間で標準機と同等、点あたり約$49.8/点と同水準のコストのまま足先の接地表現まで広げられます。価格・出荷時期は公式表記の目安です。

Q. mocopiは本体($449)を買えばVRChatで使えますか? A. いいえ。mocopi VRソフト自体は無料ですが、SteamVR経由でVRChatに使うには別売のPC受信機(約$110)とSteamVR対応HMDが必要で、実質の入口はVR Kit約$560です。無料のVRアプリはQuest単体には非対応で、SteamVR経由のみとなります。

Q. 点数を後から増やせないのはどの製品ですか? A. mocopiはセンサー6個で固定され、増設できません。SlimeVRは個別トラッカーや上位セットで自由に拡張でき、HaritoraX 2は標準6点から8点対応のPro($398・2026年7月出荷予定)へ載せ替える公式ルートがあります。標準機への腕トラッカー等の後付け拡張の確定価格は未確認のため、8点超を狙う場合は導入前に公式の最新価格を確認してください。

一次出典

  • Shiftall 公式 HaritoraX 2 / HaritoraX 2 Pro(8点・$398・2026年7月出荷予定) / Add-on R / 製品ニュース(en.shiftall.net、shop.shiftall.net)
  • Crowd Supply 公式 SlimeVR Full-Body Tracker / 価格改定告知 / SlimeVR Butterfly Trackers(Core Set $279・Full-Body $449・Sakura Edition $499・Motion Capture Set $788)(crowdsupply.com/slimevr)
  • SlimeVR 公式ドキュメント / SlimeVR Store(docs.slimevr.dev、shop.slimevr.dev)
  • CNX Software: SlimeVR Butterfly Trackers(nRF52833・約50時間超)解説(cnx-software.com、2026/02/12)
  • Road to VR: SlimeVR Butterfly クラウドファンディング(roadtovr.com、2026)
  • Sony XYN mocopi VR 製品ページ / QM-SS1 ヘルプガイド / QM-PR1 受信機(MSRP $110) / mocopi Pro Kit プレスリリース(xyn.sony.net、helpguide.sony.net、pro.sony)
  • UploadVR: Sony mocopi 米国展開 / Knoxlabs・B&H 製品スペック(uploadvr.com、knoxlabs.com)

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