VRChatフェイス・アイトラ対応機材の比較2026
この記事の要点
・VRChatは表情/視線をネイティブ反映しません。アバター側のフェイストラッキング対応セットアップと、VRCFaceTracking(VRCFT)等のブリッジソフトの両方が前提です。 ・機材は「目だけ」と「目+口」で構成が分かれます。Vive Pro Eye/Quest Proのアイは目系、Quest Proフルフェイス・Vive Pro Eye+Facial Tracker・VIVE Full Face Trackerは目+口系です。 ・Quest Proは公式ディスコン(2024年販売終了)で新規入手は中古中心。VRChatのフェイストラはPCVR専用で、Virtual Desktop/ALVR/SteamLink/ALXRの4経路のみです。 ・対応部位×必要ソフト×接続条件を1表に集約し、下半身フルトラと顔の表情トラを切り分ける導入判断ツリーで、買う1台を決めます。価格は2026年6月時点の公式/目安です。
VRChatでアバターに表情(口の動き)や視線(アイトラッキング)を乗せたいとき、機材のスペックだけを横並びで眺めても「自分が買うべき1台」は決まりません。決め手になるのはどの部位(目/口/頬)を動かしたいか、必要なソフト構成、そしてどの接続条件で動くかの3点です。この記事は編集部が、VRChatで表情/視線反映に使える主要な経路(Meta Quest Pro内蔵・HTC Vive Pro Eye・旧Vive Facial Tracker・新VIVE Full Face Tracker)を、この3点で1つの表に集約します。さらに、すでに下半身を動かすフルトラ(FBT)を導入済みの人/未導入の人が、顔の表情トラをどう切り分けるかの導入判断ツリーに落とし込みます。当メディア独自の実機実測値は未測定で、本文はすべて公式/一次ドキュメントの範囲で記載します(実測値は順次追加。現状は公式値/目安)。
VRChatで表情や視線を反映するには何が要る?
最初に押さえるべき前提は、VRChat本体は表情や視線をネイティブには反映しないことです。顔を動かすには2つの条件がそろう必要があります。1つ目はアバター側がフェイストラッキング用にセットアップ済みであること、2つ目はVRCFaceTracking(VRCFT)などのブリッジソフトです。VRCFTはbenaclejames製のOSCアプリで、ヘッドセットや専用デバイスが取得した表情データを、VRChatのOSC経由でアバターのブレンドシェイプに流し込みます。VRCFTはVRChat側のOSCを自動でEnabledにするため、機材を選ぶ前に「アバターが対応設計か」を必ず確認してください。
フェイス/アイトラ対応機材を1表で比較すると?
ここが本記事の核です。VRChatで表情/視線反映に使える経路を、対応部位(目/口/頬)・必要ソフト・接続条件で集約したのが下の表です。同じ「フェイストラッキング対応」でも、目だけの内蔵型と、目+口の一体型/アドオン型で構成が大きく異なります。
| 機材 | 対応部位 | 必要ソフト | 接続条件 | ステータス/価格(目安) | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| Meta Quest Pro(内蔵) | 目(アイゲイズ+アイ表情)+顔(口/頬) | VRCFT+経路別モジュール(例: Virtual Desktopモジュール) | PCVR専用。Virtual Desktop / ALVR / SteamLink / ALXR の4経路のみ | 公式ディスコン(2024販売終了)。$1,500→$1,000を経て生産終了・新規は中古中心 | VRCFT公式 / Road to VR / Wikipedia |
| HTC Vive Pro Eye(内蔵) | 目のみ(開閉/視線)。口/頬は単体非対応 | SRanipalランタイム+VRCFT SRanipalモジュール | 有線HMD。SteamVR環境 | 内蔵アイのみ。口を足すには別売Facial Tracker追加 | VRCFT公式(VPE/SRanipal) |
| 旧Vive Facial Tracker(下顔面アドオン) | 口/唇・顎・歯・舌・あご・頬(38ブレンドシェイプ) | SRanipalランタイム+VRCFT SRanipalモジュール | アクセサリポート/USB-C。Vive Pro系が主、Index等やPCストリーミングでも利用可 | $130(=$129.99/2021発売)。公式ディスコン(VRCFTで利用可) | Road to VR / VRCFT公式 |
| VIVE Full Face Tracker(新型・目+口一体) | 目(視線/瞳孔/開閉)+口/唇・歯・舌・頬・あご(38ブレンドシェイプ) | VRChat側のアイ/フェイシャル対応+アバターのVRCFT対応設計 | VIVE XR Elite/Focus VisionへUSB-C直結・auto-IPD。VRChatスタンドアロン版対応 | $199.99の第三者小売掲載あり(公式定価は要再確認) | VIVE公式 / VIVE Blog |
表の読み方の注意点を3つ補足します。第一に、Quest Proの「接続条件」はPCVR専用で、Quest単体(スタンドアロン)版VRChatへVRCFT経由で表情/視線を送る方法は現状存在しません。使える経路はVirtual Desktop・ALVR・SteamLink・ALXRの4つで、それぞれ追加ソフトであり、VRCFTのモジュールも経路ごとに異なります(例: Virtual Desktopを使うなら、ヘッドセットのVirtual Desktopアプリで「Forward tracking data to PC」を有効化し、PC側でVirtual Desktop StreamerとVirtual Desktopモジュール導入済みのVRCFTを起動)。第二に、Vive Pro Eyeは目だけの内蔵型で、口を動かすには別売の旧Vive Facial Trackerを足す必要があります。第三に、VIVE Full Face Trackerの$199.99は第三者小売掲載値で、VIVE公式の定価は本記事では未確定のため、購入前にVIVE公式ストアで定価を再確認してください(現時点では公式定価は未確認)。

「目だけ」と「目+口」はどう違う?
機材選びの最初の分岐は、動かしたいのが目だけか、目+口かです。目だけでよいなら、アイゲイズ(視線)とまばたき/目の開閉が反映され、アバターの目線が相手に伝わります。Vive Pro Eyeの内蔵アイや、Quest Proのアイ部分がこの領域です。
一方で口元(リップシンクの先にある実際の口形・舌・頬)まで動かしたいなら、目+口の一体型かアドオン型が必要です。具体的には、Quest Proのフルフェイス(内蔵で目+顔)、Vive Pro Eye+旧Vive Facial Trackerの組み合わせ、そして単体で目+口を取るVIVE Full Face Trackerの3パターンです。口まで動くと表情の情報量が大きく増えるぶん、必要ソフトと接続条件も増えます。Vive系はいずれもSRanipalランタイムとVRCFTのSRanipalモジュールが前提になる点が共通の注意です。
Quest Proは今から買って大丈夫?
結論から言うと、Quest Proは新規の現行品としては推奨しづらく、中古入手前提で考える機材です。Quest Proはアイゲイズ追跡・詳細なアイ表情・フェイストラッキングをすべてヘッドセット内蔵で備え、追加ハードウェア不要という強力な構成ですが、製品としては2022年に$1,500で発売後、2023年3月に$1,000へ値下げされ、2024年に実質生産終了(公式ディスコン)となりました。2026年現在、Metaはアイ/フェイストラッキングを内蔵した現行機を販売しておらず(現行のQuest 3/3Sは非搭載)、新規入手は中古中心になります。
VRChatで使う場合の制約も重要です。前述の通りフェイストラッキングはPCVR専用で、Quest単体版VRChatへ表情/視線を送る方法は現状ありません。Virtual Desktop・ALVR・SteamLink・ALXRのいずれかでPCに接続し、経路に応じたVRCFTモジュールを使う前提です。「内蔵で目+口がまとめて取れる代表例」としての価値は今も高い一方、サポートや入手性の不安は織り込んでおくべき選択です。VRと顔を合わせて初めて人と交流する流れはVRChatで初めて人と交流するための準備ガイドも参考になります。
すでにフルトラ(下半身)を入れている人はどう足す?
ここで効くのが本記事の構造的な核、下半身のフルトラ(FBT)と顔の表情トラは別系統という切り分けです。Vive Tracker等で行う下半身のフルトラと、顔の表情/視線トラは、必要な機材もソフトも独立しています。すでにフルトラを導入済みでも、顔のトラッキングはあらためて専用機材+VRCFT(またはVIVE系のVRChat対応)を用意する必要があります。導入判断は次のツリーで切り分けられます。
- 前提(根): アバターがフェイストラッキング対応設計か? → 未対応なら、まずアバターのセットアップが先(機材を買っても顔は動きません)
- 動かす部位は? → 目だけでよい → Vive Pro Eye(内蔵アイ・SRanipal)/ Quest Proのアイ
- 目+口まで動かしたい? → 内蔵一括がよい → Quest Pro(中古前提・PCVR4経路) / VIVE XR Elite系を使う → VIVE Full Face Tracker(目+口一体・スタンドアロン対応)
- すでにVive Pro Eyeを持っている? → 口だけ足す → 旧Vive Facial Tracker($130・公式ディスコン・SRanipal)
- 接続環境は? → Quest Proなら必ずPCVR(Virtual Desktop/ALVR/SteamLink/ALXR)。VIVE Full Face TrackerはVRChatスタンドアロン版でも可
下半身のトラッカー選びそのものは独立した判断軸なので、VRChatのフルトラ入門2026で全体像を、購入する1台の絞り込みはVRChatフルトラ用トラッカーの選び方と購入判断2026であわせて確認してください。顔と下半身は別の買い物だと理解しておくと、予算配分を誤りません。さらに手の指の動きをアバターに乗せたい場合も別系統の入力デバイスが要るので、VRChat向けコントローラーと指トラッキングの選び方で対応機材を整理しています。
VIVE Full Face Trackerはスタンドアロンでも顔が動く?
新型のVIVE Full Face Trackerは、VIVE XR Elite/Focus Vision向けの目+口一体型で、注目点はVRChatのスタンドアロン版でアイ/フェイシャルに対応することです(VIVE公式が告知)。38ブレンドシェイプで唇/歯/舌/頬/あごを追跡し、IRイルミネーター付き2センサーで視線方向・瞳孔サイズ/位置・目の開閉を取得します。トラッキングレートは60Hzで、VIVE XR EliteへUSB-C直結(別ケーブル不要)、auto-IPD搭載です。
ただし注意点として、スタンドアロンで顔を動かすにもアバター側がVRCFaceTracking対応設計である必要があります。デバイスがスタンドアロン対応でも、アバターが未対応なら表情は反映されません。価格は第三者小売で$199.99の掲載が確認できますが、これは公式定価ではないため、購入前にVIVE公式ストアで定価を再確認してください(現時点では公式定価は未確認)。「PCを介さず顔まで動かしたい」というニーズに、現行で正面から応える数少ない選択肢です。
結局どの経路を選べばいい?
ここまでをまとめると、選び方は部位 → 既存環境 → 接続条件の順で枝を選ぶのが近道です。目だけでよく有線SteamVR環境があるならVive Pro Eye、すでにVive Pro Eyeを持っていて口だけ足すなら旧Vive Facial Tracker($130・公式ディスコン)、内蔵で目+口をまとめたいがPCVRでよいならQuest Pro(中古前提・4経路)、PCを介さず目+口を動かしたいならVIVE XR Elite系+VIVE Full Face Tracker、という振り分けになります。いずれの経路でもアバターの対応設計とVRCFT(またはVIVE系のVRChat対応)が共通の前提であることを忘れないでください。価格・ステータスはすべて2026年6月時点の公式/目安で、為替・在庫・公式の更新で変動します。
よくある質問
Q. VRChatに最初から表情トラッキングは入っていますか? A. いいえ。VRChatは表情/視線をネイティブには反映しません。アバター側がフェイストラッキング対応にセットアップされていることと、VRCFaceTracking(VRCFT)などのブリッジソフトの両方が前提です。機材を買う前に、使うアバターが対応設計かを必ず確認してください。
Q. Quest単体(スタンドアロン)でフェイストラッキングは使えますか? A. 現状、Quest Proの場合はできません。Quest単体版VRChatへVRCFT経由でアイ/フェイスを送る方法は存在せず、PCVR接続(Virtual Desktop/ALVR/SteamLink/ALXRの4経路)が前提です。一方、VIVE Full Face TrackerはVIVE公式がVRChatスタンドアロン版での対応を告知しています(アバターのVRCFT対応設計が必要)。
Q. Vive Pro Eyeだけで口も動かせますか? A. 動かせません。Vive Pro Eyeは内蔵アイ(目の開閉/視線)のみで、口/唇は本体単体では非対応です。口を足すには別売の旧Vive Facial Tracker($130・公式ディスコン)をアクセサリポートに接続し、SRanipalランタイムとVRCFTのSRanipalモジュールを使う構成になります。
出典・公式リンク
- VRCFaceTracking公式 Quest Pro: https://docs.vrcft.io/docs/hardware/vr/meta/quest-pro
- VRCFaceTracking公式 Getting Started: https://docs.vrcft.io/docs/intro/getting-started
- VRCFaceTracking公式 Virtual Desktop: https://docs.vrcft.io/docs/hardware/vr/meta/quest-pro/virtual-desktop
- VRCFaceTracking公式 Vive Pro Eye / SRanipal: https://docs.vrcft.io/docs/hardware/vr/vive/vpe , https://docs.vrcft.io/docs/hardware/vr/vive/sranipal
- VRCFaceTracking公式 Vive Facial Tracker(アドオン): https://docs.vrcft.io/docs/hardware/addons/vive/face-tracker
- VRCFaceTracking GitHub(benaclejames): https://github.com/benaclejames/VRCFaceTracking
- VIVE公式 VIVE Full Face Tracker: https://www.vive.com/us/accessory/vive-full-face-tracker/
- VIVE Blog: VIVE Full Face Tracker Now Supports VRChat(Standalone): https://blog.vive.com/us/vrchat-standalone-eye-and-facial-tracking-support/
- VIVE公式サポート VRChat eye/facial tracking: https://www.vive.com/us/support/vs/category_howto/make-sure-eye-and-facial-tracking-works-in-vrchat.html
- Road to VR: HTC Vive Facial Tracker $130発表: https://roadtovr.com/htc-vive-facial-tracker-3-0-announcement-release-date-price/
- Road to VR: Meta Discontinues Quest Pro: https://roadtovr.com/meta-discontinues-quest-pro/
- Wikipedia: Meta Quest Pro: https://en.wikipedia.org/wiki/Meta_Quest_Pro
- Meta Community Forums: Updates to Your Meta Quest Experience in 2026: https://communityforums.atmeta.com/blog/AnnouncementsBlog/updates-to-your-meta-quest-experience-in-2026/1369435




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